鍋・汁
岩手県 釜石市
どんこ汁
さちとあじ · FOOD & DRINK
冬のどんこを肝ごと味噌で煮る。身がほろりと崩れる。
この場所の物語
肝が汁に溶けるので、身だけでは出ない濃さになります。三陸の沿岸でよく獲れる、えぞいそあいなめのことを、どんこと呼ぶんですよね。冬になると身が締まって、肝にも脂がのります。身のほうは癖のない白身で、口当たりが上品なんですよ。岩手県の釜石をはじめ、三陸の沿岸で作られてきました。
汁には、そのぶつ切りと肝を一緒に入れます。野菜を先に煮ておいて、そこへ静かに落とし、豆腐を加えて味噌でととのえて、最後に葱を散らします。旬は12月から2月にかけてで、産後の体を戻すのによいとされ、力をつけるために食べられてきたそうです。
陰暦10月20日の恵比寿講には、尾頭付きのどんこ汁を神前に供えて、豊漁を願いました。気仙のあたりでは、いまもその習わしが残っているそうです。同じ椀が、身内の体と、海のほうと、両方に向いていることになります。捨てずに入れた肝が、いちばん効いています。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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